県営烏川渓谷緑地で、ヒオドシチョウの雌が産卵体勢に入っていた。母チョウは、3mほどのエノキの周囲を旋回し、枝先に軽く止まっては前
足をせわしなく枝に触れさせる。この行為により食樹を選別しているようにも見えた。この一連の行動は繰り返し行われていた。
この日は残念ながら、産卵にいたるまでを観察できなかったが、そのエノキの枝に、くす玉のような卵塊(らんかい)が付いていた。よく見る
と左右で色が違って見える。同一の母チョウかは不明であるが、時を違えて2つの卵塊が付いていたのである。色の薄いほうが新しい。
他にも枝はたくさんあるのに、母チョウがこの枝に執着した理由はなんだろう。卵が産み付けられた枝は、高さが1mほどのところでで外へ大
きく張り出していた。その枝の周囲には、適度な空間が広がっていたので、産卵がしやすかったことは推察できる。
この翌日、新たな卵塊が2ケ所に付いていた。推定だが全部で350卵以上はあると思われる。この食樹の大きさでは、とても全部を賄えそう
にない。
なお、この母チョウの産卵のシーンは、烏川渓谷緑地のホームページに掲載されている。
http://www8.plala.or.jp/fagus/
写真1:食樹を確認する母チョウ
写真2:2つの卵塊
2004.4.17 県営烏川渓谷緑地