276「オオルリシジミ」
今年もオオルリシジミ発生の時期を迎え、官民一体となった「安曇野オオルリシジミ保護対策会議」の活動が始まっている。
当初、蝶マニアへの採集自粛要請やパトロールから始まった活動であるが、国営公園内へのサンクチュアリの設置や人工交配による増殖など、
活動内容の広がりと共にチョウの数も増えてきている。いずれも関係機関やメンバーの方々などの惜しみない力添えのお陰である。
しかし、クララに生みつけられた多くの卵はやがて孵化しても、無事終齢に至るものは少なく、見えない天敵に対する不安は増している。
また、卵や幼虫の付いたクララの花穂が摘み取られる被害も続いている。
保護活動は、幼虫の取り込みが終わる7月中旬まで続けられる。
写真1:オオルリシジミ♂ 写真2:クモに捕らえられる
写真3:求愛行動だが、双方♂に見える
写真4:3D写真 撮影はいずれも2003.5.25 安曇野
◇立体写真の見方
立体視は平行法で。左の写真は左眼で、右の写真は右目で凝視。二つの
写真が中央で合体すると飛び出して見えます
|
写真1(オオルリシジミ1)
 写真2(オオルリシジミ2)
 写真3(オオルリシジミ3)
写真3(オオルリシジミ、3D写真)

|
277「ミバエの仲間」
手の汗を舐めに来たのは、黒い波形の模様を翅に刻んだ小さなハエだった。眼は深い緑色をしていてなかなか綺麗である。ミバエの仲間の「ナ
ミガタハマダラミバエ」と思われるが自信はない。
ミバエは「実蝿」である。果実に付くハエの意で、ウリミバエやミカンコミバエは農業害虫として悪名が高いが、人間の営みには関わりなく、
自然界にひっそりと暮らしている種の方が多いのではあるまいか。
手に乗ったミバエは、まったく逃げる気配はなく、その独特の表情をゆっくりと見せてくれた。
写真1:2002.6.2
写真2:2003.5.25
|
写真1(ナミガタハマダラミバエ1)
 写真2(ナミガタハマダラミバエ2)
 写真3(ナミガタハマダラミバエ3)

278「ヒメウラナミジャノメ」
ヒメウラナミジャノメは、身近なジャノメチョウとして知られる。
今回、止まっていた雌を撮影中、雄が飛んできて横に並んだと思ったら、瞬く間に交尾してしまった。
あまりの早業に、その瞬間は撮り逃してしまったが、交尾の姿はゆっくり撮影することができた。
それにしても、これだけ目玉が並ぶと、鳥たちも容易には近づかないのではないだろうか。
写真:2003.6.1 堀金村
|
写真1(ヒメウラナミジャノメ1)
 写真2(ヒメウラナミジャノメ2)

279「眩しい虫たち」
この時期、林縁を歩くと葉上の甲虫たちがよく目に付く。ハムシやオトシブミたちが次々と顔を見せ、撮影するのに忙しいくらいだ。しかし、
うかつに近づくと、たちまち葉から転がり落ちてしまう。
ここに掲げた3種は、それぞれ独特の金属光沢を持つ美麗種たちである。彼らを、指輪かネックレスに付く宝石の替わりにあてがっても、決して
見劣りはしないと思うのは私だけであろうか。
写真1:セモンジンガサハムシ 2003.6.4
写真2:アオハムシダマシ交尾 2003.6.8
写真3:アカカネサルハムシ 2003.6.7 いずれも堀金村
|
写真1(セモンジンガサハムシ)
 写真2(アオハムシダマシ)
 写真2(アカカネサルハムシ)

280「ベニシタバ」
枝に成りきっている芋虫を見つけた。色つやもさることながら、小枝を剪定したような突起も付いていて、見事なカムフラージュというほかは
ない。食痕がなければ、探し出すことは難しいだろう。
ヤナギを食べていたことから、ベニシタバの幼虫と推察された。下翅の紅色が美しいヤガ(夜蛾)の仲間である。
写真1.2:2003.6.6 堀金村
写真3 :2001.8.7 三郷村
|
写真1(ベニシタバ幼虫1)
 写真2(ベニシタバ幼虫2)
 写真3(ベニシタバ)

| | | | |