243「越冬卵」
「森倶楽部21」の皆さんのお誘いをうけ、明科町天平の森で雑木林の手入れ作業と、ゼフィルス(ミドリシジミの仲間)の卵探しを行った。
これまでの森倶楽部の活動によって、密生していた林にも手が入り、適度な空間ができていた。
確認されたゼフィルスは、メスアカミドリシジミ・ウラミスジシジミ・ウラゴマダラシジミの3種とやや少なめであったが、今後も手入れを続
ければ、やがて多くのチョウたちが棲みつくことであろう。
サクラの枝に卵群をつくっていたのはオビカレハである。卵は枝まわりにびっしりと付いていて、隙間も見せない。母蛾はどのように産卵する
のか見てみたいものである。幼虫は集団で生活し、ウメケムシ、テンマクケムシなどとも呼ばれる。
写真1:メスアカミドリシジミ卵 写真2:オビカレハ卵
いずれも 2003.3.23 明科町
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写真1(メスアカミドリシジミ卵)
 写真1(オビカレハ卵)

244「ビオトープ池整備」
三郷村文化公園のビオトープ池の整備が行われた。5年前に植えた水草が増えすぎて、池の水面を覆うようになったため、今度はトロ函(大き
なプラスチックの容器)に植えなおして、周囲への繁茂を防ごうというわけだ。
水草の植えなおし作業は、三郷昆虫クラブの親子の手によって行われた。植え替えた植物は、フトイ・ガマ・ヨシ・キショウブ・ワスレナグサな
どである。
写真:2003.3.22 三郷村文化公園
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写真1(池整備)

245「ナズナ」
ナズナを味わうには、何といっても「おひたし」が一番である。冬越ししたナズナのロゼットは、くすんだ色をしているが、ゆでると鮮やかな
緑色になり、いっそう食欲をそそる。
以前は、ナズナ摘みといえば身近な田んぼであった。しかし、近年はどこの農家も秋に一度耕起するため、ナズナもめっきりと減ってしまって
いる。
写真1:ナズナの花 2003.3.29 三郷村
写真2:ナズナのロゼット 2003.3.29 堀金村
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写真1(ナズナ1)
 写真2(ナズナ2)

246「ヒメザゼンソウ」
小川に沿って瑞々しい葉を広げるヒメザゼンソウ(サトイモ科)を見つけた。春になるといち早く芽吹くため、青葉の少ないこの時期には目立
つ存在である。
ザゼンソウと同じ仲間だから、花も間もなく咲くかと思いきや、葉も終盤となる6月に入ってようやく花をつける。
ウバユリの葉によく似ているが、葉先が尖らないこと、葉脈が亀甲状になっていることなどで区別できる。
写真:2003.3.29 堀金村
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写真1(ヒメザゼンソウ1)
 写真2(ヒメザゼンソウ2)

247「ルリシジミ」
ここに来て、暖かい日が続くようになってきた。蛹で越冬したチョウたちも、羽化した姿を見せ始めている。
この日はルリシジミを撮影することができた。羽化後間もないのであろう。飛び立ってもすぐに近くの枯草にとまってしまう。見慣れた普通種
ではあるが、春先に見る翅は瑞々しく美しい。
クロウメモドキの芽や枝には、スジボソヤマキチョウの卵が産み付けられていた。乳白色の卵は、時が経つと赤色に変化する。
写真1:スジボソヤマキチョウ卵 2003.3.30 豊科町
写真2:ルリシジミ 2003.3.30 豊科町
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写真1(スジボソヤマキチョウ卵)
 写真2(ルリシジミ)

248「アルプス公園拡張工事」
アルプス公園を散策していたら、拡張工事の現場に出た。松本市が平成6年の全面開園を目指して進めているもので、拡張面積は、約43ヘク
タール。自然環境に十分配慮した工事が行われているという。
伐採を免れたオニグルミの芽が何か言いた気だった。
写真:2003.3.30 松本市
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写真1(アルプス公園拡張工事1)
 写真2(アルプス公園拡張工事2)
 写真2(クルミの実)

249「アマナ咲く」
春の嵐が吹き荒れた翌日は、肌寒い一日となった。
水田の畦ではアマナが清楚な花を咲かせていた。吹き抜ける冷たい風を受けて小刻みに揺れる姿は、寒さに震えているようにも見える。
アマナ(甘菜)は、古くから食用にされてきたユリ科の植物である。安曇野では水田の畦などによく見られたが、ほ場整備などの開発で激減し
ている。
昨年作成された長野県版レッドデータブックでは、「絶滅危惧TB類」に分類され、近い将来、野生での絶滅が心配されている。
写真:2003.4.9 安曇野
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写真1(アマナ1)
 写真2(アマナ2)

250「早春のチョウ」
春早く姿をみせるチョウたちに共通するのは、春の陽光を体全体で受け止めようとする姿であろう。
面白いのはその体勢である。ヒオドシチョウは太陽を背にして大きく翅を開くのに対し、モンキチョウは、翅を閉じたまま陽の当たる角度に体
を傾けている。
写真1:ヒオドシチョウ
写真2:モンキチョウ いずれも 2003.4.6 堀金村
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写真1(ヒオドシチョウ)
 写真2(モンキチョウ)

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