218「クロスジフユエダシャク」
落ち葉を踏みしめ分け入った山道で、陽だまりに群れるガに出会った。その名も「クロスジフユエダシャク」。全部で20匹前後はいただろう
か、花ひとつ咲いていない枯野をチョウのように飛び回っていた。
和名にフユシャクやフユエダシャク、フユナミシャクと付くガの仲間は、通称「フユシャク」と呼ばれて、秋や芽吹き前の早春に出現する。彼ら
が、厳しい季節での出現を選択した理由は何であろうか。
フユシャクには、雌の翅が退化しているものが多く、どう見てもガの成虫に見えない。胸に小さな翅の名残があり、遠い昔、雄とともに空を飛
んでいたことが想像される。その代わりに、脚は発達しているようで、交尾した雄を力任せに引きずって移動し、枯葉の間にもぐり込む。
一方、雄は必然的ではあるが、自分の翅を雌の上にそっと置く体勢をとる。なんともほほえましくもある。
写真:2002.11.24 豊科町
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写真1(クロスジフユエダシャク1)
 写真2(クロスジフユエダシャク2)

219「燕山荘遠望」
夕方、穂高町を車で走っていたときのこと。有明山(別名 信濃富士)の背後そびえるアルプスの尾根一角が夕日を受けて光っていた。
双眼鏡で覗くと、稜線のピーク付近に建物が並んでおり、そのうち一棟の壁面が夕日に照らされているのが見えた。
山の位置関係から、燕岳(つばくろだけ 2,763m)の南方にある燕山荘(えんざんそう 2,680m)と推察された。
思わぬ発見をひとり喜びながら帰路についた。
写真:2002.11.23 穂高町より
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写真1(燕山荘1)
 写真2(燕山荘2コピー)
 写真3(燕山荘3)

220「ヤナギコブオオアブラムシ」
烏川渓谷緑地で行った昆虫クラブ観察会で見つけた昆虫2種
ヤナギコブオオアブラムシは、ヤナギ類に寄生する大型のアブラムシ(5oほど)。SF映画にでも出てきそうなメカニカルな衣装が特徴
だ。
ゴマダラチョウの越冬幼虫は、公園化のなかで新たに植えられたエノキの根元で見つかった。餌となる植物を増やせば、いろいろな生き物の呼
び寄せができるに違いない。
写真:2002.11.23 烏川渓谷緑地
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写真1(ヤナギコブオオアブラムシ)
 写真2(ゴマダラチョウ越冬幼虫)

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