芋虫のつぶやき
VOL22:(211〜220)

211「北アルプス冠雪2」

安曇野から見渡す北アルプスの山々のなかでも、白馬岳や鹿島槍ヶ岳が連なる後立山の峰の白さは際立っている。赤く実るリンゴがいっそう映 えて見えた。

安曇野のリンゴを代表する品種「ふじ」は、これからが出荷の盛りとなる。

写真:2002.10.31 三郷村
写真1(爺が岳、鹿島槍ヶ岳)

写真2(アルプスとリンゴ)


212「黒沢山冠雪」

先月末以降、北アルプスや山麓の山々に雪雲のかかる日が続いている。昨日(11月2日)も、断続的な降雪があり、三郷村の最高峰黒沢山 (標高2,051m)が、雲の切れ間に白く染まった頂を見せていた。

黒沢山の山頂は、コメツガやシラビソなどの針葉樹で覆われている。

写真:2002.11.2 三郷村室山より
写真1(黒沢山)


213「ハコネサンショウウオ」

黒沢ダム池周辺もすっかり秋の風情となっていた。池への流入口周辺はゆるやかな流れのため、水生生物の観察に適した場所となっている。

川底の石をゆっくりと持ち上げると、黒い魚のような影が素早く動いた。両手ですくってみると、体長4cmほどのサンショウウオの幼生であった。 おそらくハコネサンショウウオではないだろうか。

15分ほどで5匹のサンショウウオを確認した。

写真:2002.10.15 黒沢ダム
写真1(ハコネサンショウウオ)

写真2(黒沢ダム)


214「オオカマキリ」

常念岳に雪雲がかかり、冷たい風が吹く一日。久しぶりに里山のフィールドを訪れた。

さすがに虫の種類は少なく、被写体探しに林縁やあぜ道をいったり来たりした。そんな時、一匹のオオカマキリの雌に出会い、モデルを頼み込 んだ。

昆虫界を代表するハンターだけあって、実に見ごたえのある面構え。カマキリの表情の豊かさに驚かされた。

写真:2002.10.27 堀金村
写真1(オオカマキリ1)

写真2(オオカマキリ2)


215「ミヤマウメモドキ」

「実が花に見える」木。それが「ミヤマウメモドキ」である。この時期、おびただしい真紅の実を枝に付け、秋枯れの湿原を飾っている。

遠目には色の濃い紅梅のようで、ススキや紅葉した木々と共に織り成す風景はなんとも美しい。

ミヤマウメモドキは、日本海側を中心に分布するモチノキ科の落葉低木。撮影地の唐花見湿原は、長野県自然環境保全地域に指定されている。

写真:2002.10.27 八坂村
写真1(ミヤマウメモドキ)

写真2(ミヤマウメモドキ2)


216「冬景色」

冬型の気圧配置が続き、西山に雪雲のかかる日が続いている。間近に迫る冬を出迎えに行こうと三郷スカイラインを上った。

標高1500mあたりから、道路は積雪となっており、小野沢牧場跡に茂るシナノザサには雪が重そうに乗っていた。

安曇野を広く見渡せるはずの、展望台付近からの眺めも雪にかすみ寒々しい。雪のカーテンの向こうには、塩尻市付近が陽に照らされてかすか に見えた。

写真:2002.11.9 三郷スカイライン
写真1(小野沢牧場跡)

写真2(雪に煙る安曇野)


217「ヒメキマダラヒカゲ2齢幼虫」

ヒメキマダラヒカゲは、3〜4齢の幼虫で越冬することが知られていて、食草のシナノザサに残る食べあとを探すことで、葉裏に潜む幼虫の集団 を見つけることができる。

今回、県営烏川渓谷緑地で行った三郷昆虫クラブの観察会で、2齢になったばかりの幼虫が見つかった。この時期に2齢ということは、相当遅 い時期の産卵と推察される。

この齢数で越冬した記録はないと思われる。自宅近くのシナノザサに移して観察することにした。

写真:2002.11.23 県営烏川渓谷緑地
写真1(ヒメキマダラヒカゲ2齢幼虫1)

写真2(ヒメキマダラヒカゲ2齢幼虫2)


218「クロスジフユエダシャク」

落ち葉を踏みしめ分け入った山道で、陽だまりに群れるガに出会った。その名も「クロスジフユエダシャク」。全部で20匹前後はいただろう か、花ひとつ咲いていない枯野をチョウのように飛び回っていた。

和名にフユシャクやフユエダシャク、フユナミシャクと付くガの仲間は、通称「フユシャク」と呼ばれて、秋や芽吹き前の早春に出現する。彼ら が、厳しい季節での出現を選択した理由は何であろうか。

フユシャクには、雌の翅が退化しているものが多く、どう見てもガの成虫に見えない。胸に小さな翅の名残があり、遠い昔、雄とともに空を飛 んでいたことが想像される。その代わりに、脚は発達しているようで、交尾した雄を力任せに引きずって移動し、枯葉の間にもぐり込む。

一方、雄は必然的ではあるが、自分の翅を雌の上にそっと置く体勢をとる。なんともほほえましくもある。

写真:2002.11.24 豊科町
写真1(クロスジフユエダシャク1)

写真2(クロスジフユエダシャク2)


219「燕山荘遠望」

夕方、穂高町を車で走っていたときのこと。有明山(別名 信濃富士)の背後そびえるアルプスの尾根一角が夕日を受けて光っていた。

双眼鏡で覗くと、稜線のピーク付近に建物が並んでおり、そのうち一棟の壁面が夕日に照らされているのが見えた。

山の位置関係から、燕岳(つばくろだけ 2,763m)の南方にある燕山荘(えんざんそう 2,680m)と推察された。

思わぬ発見をひとり喜びながら帰路についた。

写真:2002.11.23 穂高町より
写真1(燕山荘1)

写真2(燕山荘2コピー)

写真3(燕山荘3)


220「ヤナギコブオオアブラムシ」

烏川渓谷緑地で行った昆虫クラブ観察会で見つけた昆虫2種

ヤナギコブオオアブラムシは、ヤナギ類に寄生する大型のアブラムシ(5oほど)。SF映画にでも出てきそうなメカニカルな衣装が特徴 だ。

ゴマダラチョウの越冬幼虫は、公園化のなかで新たに植えられたエノキの根元で見つかった。餌となる植物を増やせば、いろいろな生き物の呼 び寄せができるに違いない。

写真:2002.11.23 烏川渓谷緑地
写真1(ヤナギコブオオアブラムシ)

写真2(ゴマダラチョウ越冬幼虫)



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