193「シンジュサン」
安曇野珈琲工房の飯田さんから、自宅で発生した立派な芋虫の写真をいただいた。香ばしい珈琲の香りが気になって、「実物の撮影」を口実に
お店を訪ねた。
古い民家を利用した店の裏庭にサンショウの木があり、そこに丸々と太った幼虫が2匹付いていた。ヤママユガの仲間のシンジュサンの幼虫であっ
た。
シンジュサンの名は、中国原産の樹木「シンジュ(神樹)」の葉を食べる蚕の意。シンジュは、西洋の呼び名「Tree of heaven=神樹」から付け
られたという。
シンジュは野生化していて、三郷村でも黒沢下流などに群生しているが、シンジュサンの幼虫はさっぱり見かけない。むしろ、キハダやサンショ
ウでの発生が多いのではないだろうか。
写真:2002.9.11 三郷村 楡
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写真1(シンジュサン幼虫)

194「キバラヘリカメムシ」
ツルウメモドキの葉で見つけたカメムシ2種。
ひとつはキバラヘリカメムシ。おそらく4齢幼虫と思われる。10匹以上で集団を作っていた。チョッキを思わせる短い翅と、露出した腹部の
取り合わせはどこかユーモラスだ。
もう一種はクサギカメムシ。モモ・ナシ・リンゴ・ウメなど果樹の害虫として知られる。成虫で冬越しする際、人家にも入り込み悪臭を放つと
いう。どうやらカメムシの評判を落としている種のひとつらしい。
写真1:キバラヘリカメムシ 三郷村
写真2:クサギカメムシ 三郷村
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写真1(キバラヘリカメムシ)
 写真2(クサギカメムシ)

195「ハナイカリ」
地味な色合いの花だが、船のいかりのような独特の形をしているのが特徴。リンドウの仲間と言われても、にわかには信じがたい。
ちょうど安曇野の山地で見ごろとなっている。
写真:ハナイカリ
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写真1(ハナイカリ)
 写真2(ハナイカリ2)

196「チャマダラエダシャク」
開長8cmはあろうかという大型のシャクガ。山地に生息する。夜のライトトラップにも来るが、昼間、アザミの花の蜜を吸う姿もよく見かける。
幼虫は見たことがないが、アブラチャンやクロモジなどのクスノキ科の樹木に付くことが知られる。これだけ大きなガなのだから、さぞや大き
な尺取虫に違いない。
来年は、それを探してみたいと思っている。
写真:2002.9.9 県営烏川渓谷緑地
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写真1(チャマダラエダシャク)

197「常念岳」
今日は穏やかな秋の一日となった。あちらこちらでコンバインの音が響いていたが、稲刈りもこの週末あたりがピークだろうか。
安曇野を見下ろす常念岳(2857m)もすっかり秋の表情だ。常念岳は、豊科町や穂高町方面からの、家屋の屋根のように見える姿で紹介されるこ
とが多い。
私の住む三郷村からは、前常念と頂上のピークが重なるので三角の山に見える。
写真:2002.9.19 三郷村
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写真1(秋の安曇野)
 写真2(常念岳)

198「マルバルコウソウ」
マルバルコウソウはヒルガオの仲間。この時期、道端や荒地で小さな橙色の花をたくさん咲かせている。
もともと熱帯アメリカ原産の帰化植物で、江戸時代の終わり頃、鑑賞用に持ち込まれたものが野生化したと言われる。
名の由来は、花がルコウソウ(縷紅草)に似ているから。
写真:2002.9.19 三郷村
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写真1(マルバルコウソウ)
 写真2(マルバルコウソウ2)

199「オオスズメバチ」
県営烏川渓谷緑地で営巣していたセイヨウミツバチが、オオスズメバチに襲われた。駆けつけたときはすでにミツバチは全滅し、オオ
スズメバチが巣穴から蛹や成虫をせっせと運び出していた。
地面には、おびただしい数のミツバチが折り重なって死んでおり、オオスズメバチとの戦いの凄まじさを物語っていた。
明治初期にヨーロッパから導入されたセイヨウミツバチは、オオスズメバチに対する防御策を持っておらず、自然状態で生きていくの
は容易なことではない。
写真:2002.9.20 県営烏川渓谷緑地
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写真1(オオスズメバチ)
 写真2(セイヨウミツバチ)

200「イチモンジセセリ」
店頭に置いてあった園芸種のベンケイソウに、五匹ほどのイチモンジセセリが止まっていた。ほかの虫やお客は見当たらず、彼らが花を独占し
ているのがなぜか面白かった。
早速カメラを持ち出し、「売り物の花の蜜を吸うのはドロボーだぞ」などとブツブツ言いながら写真を撮っていたら、レジのおばさんがけげん
そうな顔でこちらを見ていた。
写真:2002.9.22 堀金村
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写真1(イチモンジセセリ)

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