176「スジボソヤマキチョウの飛翔」
山すそに開けた畑は蕎麦の花盛りだった。農家の人は畑の入口付近に切花用の花を作っていて、白く染まる蕎麦畑を背景に、ケイトウや百日草
が一際美しく咲いていた。
そんな花々に魅せられてチョウたちが集まってきていたが、とりわけスジボソヤマキチョウの数が多く、それも雌ばかりであった。
花から離れない彼女たちを見て、飛んでいる場面の撮影に挑戦してみた。普段使っているN社のデジカメは、シャッターのタイムラグが大きいた
め、こうした撮影には不向きだ。ここは、O社のズーム機能付きのデジカメを使うことにした。
絞り優先モードにして絞り込み、ズームレンズは最も広角に設定した。また、ストロボを発光させ、飛んでいるチョウを止めるようにした。
花畑の前にどっかりと腰を下ろし、カメラを構えて1時間ほど撮影した。まともに写った写真はほんの僅かであったが、チョウと共に過ごしたひ
と時が楽しかった。
2002.8.25 奈川村
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写真1(スジボソヤマキチョウ飛翔1)
 写真2(スジボソヤマキチョウ飛翔2)

177「サラシナショウマ」
林道わきの草むらで、身の丈ほどもある独特の花を見つけた。キンポウゲの仲間のサラシナショウマである。
サラシナショウマの名は、その若葉をゆでて水にさらし、食用にしたところから付いたという。たくさんの花を集めて30cmはあろうかと
いう、大きな純白の花穂を作る。
甘い芳香を漂わせ、ハナカミキリやハナアブたちを誘っていた。
写真:2002.8.25 奈川村
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写真1(サラシナショウマ)
 写真2(サラシナショウマとアカハナ)

178「ヘリヒラタアブの仲間」
サラシナショウマに来ていた虫の中に、腹部に青い斑紋をもつアブがいた。
ハナアブの中にはハチに擬態してか、黄と黒色の縞模様を持つ種が多いが、このアブらしからぬ青い色は新鮮に目に映る。また、斑紋は、怒っ
た人の顔にも見えてくる。
ヘリヒラタアブの仲間のマルヒラタアブではないかと思われるが、自信はない。
写真:2002.8.25 安曇村
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写真1(ヘリヒラタアブの仲間)

179「ヒトツメカギバ」
ガの仲間は、翅を開いたままで交尾するケースが多く、雄と雌が作り出すシンメトリーな造形にハッとさせられることがある。
写真の交尾するヒトツメカギバは、イケマの葉にピッタリ張り付くように止まっていて、葉との間に隙間も見えない。白く光沢のある翅
はその存在を際立たせていて天敵の標的にならないか心配になる。それとも、四方から睨む目玉模様によほど自信があるのだろうか。
写真1:ヒトツメカギバの交尾 2002.8.25 安曇村
写真2:ミズキに止まるヒトツメカギバの幼虫 2002.5.12 三郷村黒沢
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写真1(ヒトツメカギバの交尾)
 写真2(ヒトツメカギバの幼虫)

180「エルタテハ」
新鮮な斑紋のエルタテハに出会った。後翅裏面にはチョウの名の由来となった白抜きのアルファベットの「L」字紋があるのだが、このチョウ
はLの縦棒が消失していて、−(マイナス)紋になっていた。
非常に敏感なチョウで、近づくことさえままならないことが多いが、この日は間近でゆっくりと撮影することができた。
写真:2002.8.25 安曇村
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写真1(エルタテハ1)
 写真2(エルタテハ2)

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