bS11「ウバユリ」 | ||||
冬の林床にウバユリを見つけた。どれも背が高く、1m〜1.5mはあろうか。直立した花茎の先端に果実を互い違いに付けていて、
冬枯れしている植物の中では、ひときわ目立つ。
果実のひとつを上からのぞいて見ると、目玉焼き模様の種子が三つの部屋に分かれて、菓子の「チップスター」のように積み重 なり収まっている。ひとつの果実に500〜600枚の種子が入っているという。 この種子は風によって散布されるといい、事実、3月に入るとほとんどの果実の中はカラッポになっている。ウバユリが種子を より遠くへ飛ばそうと、自らの背を高くしていった戦略が見て取れる。 しかし、中には風にゆだねて種子を飛ばす以前に、積雪などの原因で倒れてしまうものもある。それでも親株より遠いところへ 種子はこぼれるため、身につけた「高さ」は活かされる。 倒れこぼれた種子を眺めながら、自然の不思議を想った。 写真:2007.2.6〜2.8 安曇野市三郷黒沢 | ||||
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