bS10「スジボソヤマキチョウの交尾」 | ||||||||||
スジボソヤマキチョウは、4枚の翅先がとがった独特の形をしたチョウである。ことに雄は翅表に鮮やかなクリーム色を持つ
美麗種でもある。
2006年8月、松本市保福寺峠近くの草原で、このチョウの交尾を観察する機会に恵まれた。そのときの「葉隠れの術」とでも 言いたくなるような、周囲の環境にとけ込み姿を消す習性はあまりに見事で、思わず「スゴイなぁ」とうなってしまった。 交尾の場所として選んだのはノリウツギの葉裏。葉脈がよく浮き出た裏面は、やはり翅脈が浮き出ている彼らの翅裏とよく 似ている。そして葉のフィルターを透かして溢れる青みがかった緑陰色が、これまた彼らの翅裏の色彩と同系なのだ。伸ばした 触角や翅裏の点状の斑紋さえ、小枝や、葉の病斑に見えてしまうから不思議である。 スジボソヤマキチョウの雌が産卵するのは、成虫で越冬した翌春、8ヶ月も先のことである。 交尾観察の記録は以下のとおり。
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