bR96「クロホウジャク」
先日、「スズメバチは恐ろしいのに、なぜスズメというやさしい鳥 の名を用いているか」と聞かれ返答に困った。スズメバチは漢字で 書くと「雀蜂」で、「スズメほどもある大きなハチ」の意というこ とらしい。事実、スズメバチに遭遇すると、その大きさに驚き恐怖 するのは誰でも同じであろう。
一方、「蜂雀」と書く昆虫がいるのをご存知であろうか。スズメガ(雀蛾) の仲間のホウジャクである。昼間活動する種もいて、花から花へホ バリングしながら飛び回る。ブンブンとハチのような羽音を立てる ので、ハチと間違われることも多いという。
こちらの場合の「雀」は、「雀に似ている」ところから付いた名の ように思われる。スズメガは胸の筋肉が発達した大型の種が多いの で、スズメバチと同じ意味合い(大きさ)もあるのかも知れないが、 空中を飛び回るホウジャクを見ると、スズメを連想させるには十分 な容姿と思うのだが、いかがであろうか。

写真1〜4:クロホウジャクの飛翔 2005.9上旬 安曇野
写真No1(クロホウジャク1)
写真No2(クロホウジャク2)
写真No3(クロホウジャク3)
写真No4(クロホウジャク4)