bR93「アサギマダラ」
アサギマダラは本州に分布する唯一のマダラチョウで、長距離の「渡り」をすることが知られ、その距離は時に1000キロを超える。
6月頃、南方から渡ってきた成虫はガガイモ科のイケマに産卵し、7月に入って新成虫が発生する。特に雄はキク科のヒヨドリバナに強く惹か れるようで、花の開花を追うようにして標高の高いところに移動し、高原などで群飛する。そしてヒヨドリバナの花期が終わる頃、まだ見ぬ南、 方の越冬地へと飛んでいくのである。
先日、林道脇のお花畑で吸蜜するアサギマダラに出会った。周囲にはホタルブクロやノリウツギ、クガイソウなどが咲き誇り虫を誘っているの だが、彼らはヒヨドリバナ以外には関心を示さない。そして一旦、ヒヨドリバナに止まると無心に蜜を吸い続ける。アサギマダラは、生存に必 要な物質をヒヨドリバナから摂取するともいわれる。
一方、6月の半ばには如何物食いの一面も観察した。アブラムシの分泌物を吸い続けていて、少なくとも1時間半以上はその場所から動くこと はなかったのである。

写真1・2:ヒヨドリバナに集まる雄 2005.7.20 松本市
写真3:アブラムシの分泌物を吸う雄 
写真4:アサギマダラの卵(イケマ の葉裏)2005.6.19 松本市
写真No1(アサギマダラ1)
写真No2(アサギマダラ2)
写真No3(アサギマダラ3)
写真No4(アサギマダラの卵)